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駐車場には一人の男が俺のクルマを見ていた。
外見は首都高を走っていたときとほぼ同じだがこの会社ではそうは珍しくない。「どうかしました?」
「いえ、ただフロントが重そうだから」
「それはエンジンが違うから。」
「どうりで」
「後ろに色々ずらしてごまかしてたのによく気づきましたね?」
「いや私も乗ってるもので」
ぱっと見たかんじ同年代の感じの良いおじさんというかんじだった。
S2000に乗ってるようには思えなかった。
「エンジン見せてもらえます?」
「いいですよ」
ボンネットを開けると
「噂には聞いていたが本当にあったのか」
「噂?」
「V6の耐久レース用のテストエンジンを積んだSが首都高を走り回ってるとか」たぶん噂の元は高野か安田だろう。
そしてとりあえず電話番号を交換して帰宅した。
するとSを仕上げてくれたオヤジさんから着信があった。
かけ直すと「たまには顔だせ」との事だった。
たぶんよほど見せたい物があるか自慢したいものがあるかだ。
ちょうど車検だし、働きすぎで有給を取れと言われてるので3日土日をはさんでとりオヤジさんの元へ向かった。
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