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「……っ!」
目を覚まし、私はびっくりした。そこは見覚えのない場所で、ある家の一室っぽかった。ベッド、クローゼット、棚、カーテンのかかった窓。ぱっと見て寝室かなって思う。私はベッドの上に寝かされていた。
(けっこうふかふかー♪)
ベッドの感触が気持ちよくってもふもふと遊んでいた。
ガチャリ
突然ドアが開く。私は反射的に音の方を見た。
「おっ!目ぇ覚めてんじゃんっ」
そう言いながら入ってきたのは男の子だった。髪は男にしては長めの今の私と同じくらいの長さ。色素が薄いのか光に透けてるわけではないのに茶色っぽかった。私がちっちゃいせいもあるんだろうけど、すごく長身に見える。大学生くらいかなーと予測。
「あっ。おはようですっ。ベッドふかふかで寝心地良かったですー♪」
私がそう言うと男の子は何か驚いてるみたいで、目がぱちって開いた。
「……お前、呑気だな。怖くねぇの?」
「へっ?」
「………もしかして状況解ってない?」
男の子はやや困ったような呆れたような表情で私に聞く。
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