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冬の空
雪の結晶
夜のイルミネーション
瞳に映るものすべてが輝いていた……はずだった…‥
私は噴水のある広場で絋君を待っていた。マフラーや手袋はしてるけど、冬の冷たい風が吹きつけるせいで私の体は冷えきってる。呼吸をする度に吐息が白く舞った。
「寒っ…」
時計を確認。約束の時間からもう何時間も経ってるけど絋君は来そうにない…
「…むぅ」
待つのをあきらめて私は家に帰ることにした。
(後でメール送っとこうっと)
人通りの多い通りを通り私は家へと向かう…と、その途中人混みの影に見覚えのある背中を見かけた。
「あっ!絋く…」
大声で彼の名を呼ぼうとした刹那、彼の隣にいる女の子が視界に入った。よく見ると手を繋いでるっぽい…
(……っ!)
私は声をかけるのを諦めそのまま帰路へと走った。振り返ることもなく…
――翌日
私は普段通り学校に行った。いつもと変わらない日常なのに何かが違う…胸の辺りがもやもやしている気がした。
(昨日のことを確かめなくちゃっ)
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