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ピリリリリリー ピリリリリリー
辺りの波音に紛れ、オレの携帯から軽快な音楽が流れ出す。
桟橋の波打ち際のところに立っているが、波の音で遮られることなく、その音は良く聞き取れた。
オレはポケットの中にある携帯にへと手を伸ばす。
けど、オレは…携帯を見ないでも、その発信相手はわかっていた。
だからオレはそのまま居留守を決め込み、数秒間放置する。
そして放置してから10秒ぐらいで、音楽は止んだ。
オレはすかさず携帯を開き、ディスプレイ画面を覗く。
実は既にこのやり取り、5回ぐらいは続いている。
正直、この作業…いい加減、面倒くさくなってきたからなぁ…。
いっそのこと電源ごと切ってやろうか…。
しかし……それよりもこいつら……どうしようか?
オレは後ろを振り向く。
そこには数多くの屍(※生きてます)が無惨にも転がっていた。
まぁ、全部オレがやったわけなんだがなぁ…。
さて、どうしようか…?
…………よし、放置しよう。
だが、報復されても困るから…証拠でも残しておくか。
手に持つ携帯をカメラモードに切り替え、そこらに転がっている屍達を写す。
ピロリロリーン
電子音が鳴り響き、写真が撮れたことが確認される。
これで二度と、オレに刃向かってくることは無いだろうな。
さてと…そろそろ行くか。
役目を終えた携帯の電源を切り、桟橋近くの倉庫の壁に立てかけておいた鞄を回収した。
そして屍達を放置したまま、オレはその場を後にした。
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