EP.1 始まりの時は唐突に

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オレは学校にへと続く道を黙々と一人で歩いていく。 周りに学友なんてものは一人としていない。 まぁ、それもそうか。 今、ちょうど学校では2時間目の授業が始まっている頃だ。 こんな時間に誰かに会うなんてことは滅多にない。 稀に遅刻して、急いで学校に向かうやつを見かけるが、オレはそいつらの気が知れない。 遅れたら場合、どうあがこうが怒られるなら、いっそのこと堂々と遅刻してしまえばいい。 オレはそう考えている。 …そういえば、まだ自己紹介してなかったな。 オレの名前は須藤鎌(スドウレン)。 地元にある、神北(カミキタ)高校に通う2年生。誰が何と言おうが、普通の高校生である。 周りの奴らはオレのことを『不良』と言うが、それは大きな間違いだ。 別に学校には滅多なことが無い限りは休まないし、成績もそこそこ良い方だし、髪を染めたりピアスを着けてるわけでもない。 それでもオレが不良と呼ばれてしまうのは、天性の『喧嘩スキル』と『人を惹きつけてしまう体質』のせいだ。
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