EP.1 始まりの時は唐突に

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あの後…全力疾走したおかげで、何とか授業には間に合うことができた。 ただ…その代償として、昼休みに正ちゃんに呼び出され、説教を受ける羽目となってしまったけどな。 それが終わった今、オレは残りの昼休みを満喫するため、屋上にへと足を運んでいた。 うちの学校の屋上は、他の学校とは違ってかなり立派なものだ。 辺り一面何もなく、給水塔が置いてあるだけの殺風景な風景とは違い、周りには花壇やベンチ等が置いてあり、生徒の憩いの場として機能している。 前までは女子達が弁当を食べるために来たり、勉強に疲れて休息を取りに来るやつがいたりなど、多くの生徒が利用していた。 だけど、オレが足を運ぶようになってからは、極端に利用する人数が減り(特に女子)、今ではサボリの集団が跋扈する場、もしくはオレ専用の土地と化してしまった。 例え、先客がいたとしても、オレが来たら、そいつらが逃げ出す始末。 どうしてこうなってしまったのだろうか? 特にアクションを掛けた覚えもないのに…。 「はぁ………」 誰もいない屋上で、オレはため息を一つ吐く。 そして日陰のあるベンチを探し、そこに横になった。 昼休みの残りは後10分ぐらい。 仮眠ぐらいはとれるだろう。 眠ろうと思うと、自然と欠伸が出た。 そしてそのまま眠りにつこうとした…。 が…………… バタンッ!! 屋上から校内に繋がる扉が勢いよく開かれた。 そのせいで、オレの眠気は完全に吹き飛んだ。 ……オレの安眠を妨害するなんて…許せんっ!! もし、昨日の上級生だったら…全力でぶっ飛ばすっ!!
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