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「真琴さん、ホントっ帰りたくなくなりますよねぇ!」
拓真は両手にトロピカルジュースを持ち、
右手の方をあたしに手渡した。
「これマジ美味いっすから、飲んでみて下さいよ。」
エメラルドグリーンがベースの、ストロー脇に果物が綺麗に飾られたそれを、あたしは美味しくいただく。
「美味しいね。」
彼のペースに思わずハマりそうになる。
拓真はあたしが一口飲むたびに、嬉しそうに微笑んでくるの。
拓真は、同じパラソルの中、あたしの反対側に腰掛けた。
他の誰もがここに座ることを躊躇するのに、
彼は断りもなく自然に座った。
そしてあたしに向ける笑顔。
拓真、あんたの笑顔は最高ねっ!
年が近いせいか、何だか安心する自分がいたわ。
思わず、
微笑んでいたのよ。
このあたしが、
ブラウン管以外で見せた笑顔……。
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