麗しき真琴!

11/13
前へ
/50ページ
次へ
「何すんのよっ!」 あたしは少しだけ、 ほんの少しだけ彼を睨んだ。 拓真は涼しい顔であたしを見る。 「タバコはダメっす。」 そう言ってニッコリ笑う拓真。 あたしは怒るのを止めた。 ジュースを口に含むと、拓真は嬉しそうにあたしの手をとる。 そして、あたしをビーチまで走らせた。 「せっかく沖縄に来たんだから、ねっ!」 撮影用の衣装のまま、あたしは裸足になって拓真と砂浜でじゃれ合った。 拓真はあたしに海水をかけながら言った。 「笑ってる真琴さんの方が可愛いっすよ!」 キラキラ輝く拓真の笑顔が、あたしの傲慢だった心の中を占領する。 あたしは、自然に笑ってた。 沖縄の海が綺麗で……。 潮の香りが心地よくて……。 拓真の笑顔がキラキラ眩しくて……。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加