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「何すんのよっ!」
あたしは少しだけ、
ほんの少しだけ彼を睨んだ。
拓真は涼しい顔であたしを見る。
「タバコはダメっす。」
そう言ってニッコリ笑う拓真。
あたしは怒るのを止めた。
ジュースを口に含むと、拓真は嬉しそうにあたしの手をとる。
そして、あたしをビーチまで走らせた。
「せっかく沖縄に来たんだから、ねっ!」
撮影用の衣装のまま、あたしは裸足になって拓真と砂浜でじゃれ合った。
拓真はあたしに海水をかけながら言った。
「笑ってる真琴さんの方が可愛いっすよ!」
キラキラ輝く拓真の笑顔が、あたしの傲慢だった心の中を占領する。
あたしは、自然に笑ってた。
沖縄の海が綺麗で……。
潮の香りが心地よくて……。
拓真の笑顔がキラキラ眩しくて……。
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