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事務所に届くファンレターを抱えて、1つ1つ丁寧に読んでいった。
撮影の出待ちの合間に、あたしは大事そうにスタジオの片隅で読んでいたのよ。
桜井さんはそんなあたしに言ったわ。
「もっと沢山のファンが、君にはつくやろう。
僕がその夢を叶えてやろう。」
って。
その頃のあたしには、桜井さんのそんな言葉よりも、
気持ちの込められたファンからの手紙が何より大切だったのに……。
桜井さんはあたしの手紙をダンボールに投げ入れ、あたしを強引に夜の街へ連れて行ったわ。
そしてあたしを抱いた。
あたしはそのダンボールを探したのよ!
でも……、
もうどこにもなかったの。
許せなかったわ……。
桜井さんも、
そしてこのあたし自身も……。
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