33人が本棚に入れています
本棚に追加
フワァっと白い煙が宙を舞う。
あたしは口から吐き出される煙の行方を見届けながら、拓真のことを想った。
ここ数日間、拓真のことばかり考えてしまう自分がいた。
初めて逢った時は、気にも止まらなかったのに。
ここに来て、最初に逢った時確かに好印象を残した彼だったが、
何故こんなに気になるの……?
警戒することなく、あたしに近付いた拓真。
若手だからと言っても、あんなに軽快にあたしに近付いたのは彼だけ。
彼はあたしと桜井さんのこと何も知らないの?
いいえっ!
そんなはずはない。
どこからか情報が漏れているはず。
なのに、憶することなくあたしに触れた。
あたしは初めて抱く自分の感情に戸惑っていたの。
拓真のことが気になって仕方がなかった。
最初のコメントを投稿しよう!