恋心

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フワァっと白い煙が宙を舞う。 あたしは口から吐き出される煙の行方を見届けながら、拓真のことを想った。 ここ数日間、拓真のことばかり考えてしまう自分がいた。 初めて逢った時は、気にも止まらなかったのに。 ここに来て、最初に逢った時確かに好印象を残した彼だったが、 何故こんなに気になるの……? 警戒することなく、あたしに近付いた拓真。 若手だからと言っても、あんなに軽快にあたしに近付いたのは彼だけ。 彼はあたしと桜井さんのこと何も知らないの? いいえっ! そんなはずはない。 どこからか情報が漏れているはず。 なのに、憶することなくあたしに触れた。 あたしは初めて抱く自分の感情に戸惑っていたの。 拓真のことが気になって仕方がなかった。
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