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あたしは足を組み、海岸を見下ろした。
何気なく、見下ろした視線の先に……、
拓真の姿を捉えた。
サングラスをつけ、帽子を深めにかぶっていたけど、すぐに彼だとわかった。
あっ!
思わずあたしは声を出した。
五階のここから、あたしの声が拓真に届くはずもなかったのに、
拓真があたしの方を眺めていたの。
あたしが拓真に気付くと彼は、
あのキラキラした笑顔であたしに手を振り始めた。
あたしはドキッとして、そして立ち上がった。
「真琴さぁん!」
拓真があたしの名前を呼んでいる。
胸がキュンとしたのを覚えてるわ。
あたしは……、
拓真に恋してるんだ……。
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