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あたしが拓真のもとに駆け寄った時、
もの凄い息切れで恥ずかしかったぁ。
そんなに急いで来たのかよ?
そんなに俺に逢いたかったの?
そう想われても構わない。
あたしは、拓真に逢いたかったんだ……。
そして今ここに、
あたしの目の前に、拓真がいる。
拓真がはにかんだように笑ってる。
「打ち上げまでまだ時間あるし、少し歩かない?」
サングラスを外し、拓真があたしを誘う。
「いいわよ、今日で最後の夜だもんね。」
あたしたちは、2人で海岸線に向かってゆっくり歩き出した。
あたしと拓真は、風が少しだけ通り抜けられるくらいの、
手と手が触れ合えるくらいの、切ない距離を空けて歩いた。
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