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後ろは人の群れがどんどん増えている気配があった。
だけど振り返らず、あたしは拓真の隣で懸命に走った。
風で帽子が浮き上がりそうになるのを、拓真と繋いだ反対側の手で抑えながら走った。
隣の拓真を見ると、拓真もまた帽子を押さえ走ってた。
それが可笑しくて、クスクス笑うあたしを見て、拓真も笑ってたの。
あたしたちは、ファンの波に追いかけられながら、笑顔で走り続けたわ。
汗がおでこから流れ落ち、キラキラ眩しかった。
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