恋心

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あんなにたくさんの人の群れが消えた。 かなり走ったから、ついて来れなくなって諦めたんだろう。 気がつくと、あたしたちは見たことがない場所まで来てた。 「上手くまいたねっ。」 拓真とあたしは手を放し、帽子とサングラスを外した。 呼吸の乱れを整えながら、あたしは言った。 「楽しかったぁ!」 拓真も同じ調子で言った。 「ドキドキしたねっ!」 2人で顔を見合わせて、微笑み合った。 ここは狭い路地裏。 だけど少し向こうには海が輝いていた。
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