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ダッシュの果てにゼイゼイ言いながら、不思議な形の岩まで辿り着くと、
そこはトンネルみたいに大きな穴が空いてた。
あたしより拓真の方がはしゃぎ始めて、
あたしたちは靴を投げ捨ててその中に入ったの。
トンネルの先には砂浜が広がっててね、
中まで波の音が聴こえてくるのよ。
ロマンチックなシチュエーションねっ。
あたしは冒険心丸出しにして、少しかがんで歩いた。
あたしより背が高い拓真は、頭をぶつけないように慎重に歩いてた。
トンネルの中を潮風が吹き抜けて、とても涼しいの。
そしてそこには小さな隙間から海水が入ってきて、波が静かに打ち寄せてる場所があったの。
あたしたちはそこの丁度いい岩に並んで腰かけて、一面に広がる貝殻を手にとった。
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