何事も出だしが肝心

2/13
131人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
-サイクロンズ選手寮- 午後7時頃、寮の一室がやけに騒がしい。 桜井「お前らいつまで部屋にいるんだよ?」 亘「いいじゃねえか、今 日くらい。」 伊月「そうそう、同期が俺達しかいないんだからな。」 高橋「しかし、お前のような奴がなんでトレードされたんだかな~。」 伊月「なんだ?高校の時そんなにすごかったのか?」 高橋「すごいも何も、高校生で氷室からホームランを打ったのはコイツだけだからな。」 氷室とは高橋と同じ高校で150㌔後半の投球で注目され、棒伊高校の優勝に貢献した。 伊月「氷室って、あのレッドフェニックスのエースの?」 桜井「まあな。」 高橋「あいつは向こうでどうだった?」 桜井「俺は向こうじゃ二軍暮らしだから、わからねぇよ。」 高橋「ふ~ん。」 その時、寮の放送スピーカーから声が聞こえた。 『明日の朝十時にミーティングがあるので、遅れずに出席するように。』 高橋「ミーティングか、何を言うんだろな?」 伊月「オープン戦のメンバー発表かなんかじゃないか?」 桜井「試合にでてぇな~。」 そうして、夜は更けていった。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!