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この世界、『ウィゼン・リーヴ』は、誰が名前を付けたのか、誰も知らない。
知らないから、人は伝説を作る。
その伝説は。
―――世界に名前がなくても、その世界に人や魔物は生きていた。 そこで暇だったある神様は、人の姿になり名のない世界を旅した。全ての国、街、村を見て旅して回った神様は言った。
『この世界の名前は、《ウィゼン・リーヴ》。』
神様はそれだけを言い残すと、帰るべき場所に帰ってしまった。
だから、どんな由来なのか、どんな意味なのか、誰も知らない。
…と、いうことだ。
結局、伝説でもわからないのだ。
だけど、例え伝説でも人々はそれを信じ、世界をそう呼んだ。
そしていつしか人々は世界を《ウィゼン・リーヴ》。それを略し、《ウィゼン》、または《ウィゼヴ》と呼ぶようになった。
人々も魔物も、それが当たり前で、誰も本当の理由を探そうとはしなかった。
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