階段

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階段

少年はある日キーボードに出会いました。 その素敵な音色に魅せられ、いつか世界中で自分の作った曲を演奏したいと夢見ました。 ある時、その夢を叶える為の階段を見つけました。 そこを登れば少年の夢は叶うという不思議な階段です。 少年は仲間と共に少しずつ階段を登ります。 一生懸命に登り、ふと一息ついた所で新しい階へ向かう道を2つ見つけました。 1つは今登ってきたよりも更に長い階段です。2つめは長い長いエスカレーターでした。 どちらも先は見えません。 少年は早く上の階に行ってみたいと思い、仲間と共にエスカレーターで進もうとしましたが、仲間達はなぜか「あっちの階段から行こうよ。」と別の道を勧めます。 でも、階段は大変そうだし、時間がかかるから…と悩んでいると、どこからともなくたくさんの人が現れて、「こっちの方が早いし、楽だよ。」と熱心に少年を誘いました。 その誘いはとても魅力的で、上に何があるのか知りたい気持ちを押さえきれなかった少年は、仲間とは一旦そこで別れ、ひとりでエスカレーターに乗る事にしました。 エスカレーターはとても早くて快適で、どんどん上昇していきました。 途中で誰かが乗ったり降りたりしている様でしたが、少年はまだ見えない上の世界の事ばかりを気にして、周りは見ていませんでした。 どれ程の間エスカレーターに乗っていたのでしょうか。いよいよ終点が近づいてきた様です。
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