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水晶の間にはお父様がいた。
「リスティ…何者かが次元の狭間の結界を破り、この星に侵入した。おそらくこのレインボークリスタルが目的だろう…。」
お父様は冷静に状況を私に説明したが、私は冷静にはなれなかった。
「で、ではどうすればいいんですか!?」
「我らは戦闘民族ではない。どうする事もできん…。」
首を横に振りお父様はそう言った。
だが私はお父様の言う事に納得出来なかった。
「なら、このまま星が人々が滅ぼされるのを黙って見ていろと言うのですかッ!?そんなの…」
「だからお前だけでもこの星から逃げるのだ。レインボークリスタルと共に…!!」
「…えっ?」
私はお父様の言葉に驚いた。
私だけこの星から逃げる?そんな!お父様やお母様達みんなを置いて逃げるなんて、できる訳がない!?
「できません!!みんなを置いて私だけ逃げるなんてっ!!」
ドガァゴォオオッ!!!!!
「「!!!???」」
「くぅっ!?爆発が近い…!!リスティよく聞け!!我々はこのレインボークリスタルをたとえどんな事があろうとも守らなければならないっ!!奴らはここに気付いた!!早く逃げるのだ!!」
「嫌です!!お父様達を見捨てるなんて私には…ッ!?」
お父様は真剣な顔で私に逃げるように言ったが、私はそれでもかたくなに首を横に振った。
その時、お父様の手が顔に触れた。
「なにより、お前には生きていてほしいのだ…リスティ。」
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