1.機械のココロ

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現在、深夜の1時半過ぎ。 店の中には、若いカップルが一組と、中年男性が1人。 そして、目の前に居る、恐らく20代の男性の計4人だけ。 晶が、このコンビニに勤めて、もう4年近くなる。 4年間、ずっと深夜勤務だ。 自ら深夜を希望して、シフトを組んでもらっている。 バイトを始めて2年位経った時、社員にならないか、と誘われたが断った。 別に、偉くなりたくてこの仕事に就いた訳じゃない。 昇給にも、さして興味はない。 だから、4年経った今でも、晶はアルバイターだった。 チンッと、電子レンジの終了音が鳴り、中からお弁当を取り出して袋に入れる。 箸とお絞りも一緒に入れて、目の前の男性に、笑顔で差し出した。 「ありがとうございました~!」 去って行く後ろ姿に、大きく声を掛ける。 途端、彼女の顔から笑顔が消えた。 「……しんど」 俯いて、小さく小さく、呟いた。 .
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