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流石に、深夜1時半に愛想振り撒くのは、キツいものがある。
それでも、彼女が深夜勤務に拘る(コダワル)のには、ちょっとした理由があった。
(…此処なら、必ず誰かが居る)
晶は、孤独がキライだ。
深夜のマンションに独りで居られない。
独りで居ると、どうしても“癖”が出る。
だから彼女は、深夜のコンビニで働き続けた。
「戸塚さん、」
「はい?」
客の来ないレジカウンターで、ボーッとしていたら店長に声を掛けられた。
「お客さん、一段落付いたから、休憩行っといで」
「あ、はい。分かりました」
じゃあ、休憩頂きます。
と声を掛け、バックヤードに向う。
小さな休憩室に入り、ロッカーから鞄を取り出して、椅子に腰掛けた。
鞄の中から、コンビニおにぎり二つとお茶、ついでに携帯電話も取り出すと、チカチカと点滅していた。
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