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翌日、わたしを待っていたのは薄暗い部屋でのパネル撮影だった。
「はい、ソファに座って足を高く組んで。
そう、顔は隠していいからね」
専属のカメラマンらしい髭づらの男の指示を仰ぐ。
「いいよ。お疲れ。
それじゃ次は脱いで下着姿になってみようか」
反射的に、ためらいが拒否反応に変わる。
《スゲエ、ぜい肉スゲエ》
《引きつれじゃないよ。脂肪が弛んでいるんだ》
罵声を浴びせられた過去が蘇る。
《とてもそんな歳には見えないですよね。
スタイルもいいし》
そう、わたしは変わったのだ。
選ばれた特別な人間には魔法が使えるのだ。
今まではパネルに並ぶスタイルのよい、魅惑的な女性たちに気後れしていたが、これからのわたしは決して彼女たちと並んでも見劣りしないだろう。
過去を吹っ切ったわたしは着ていた上衣を勢いよく剥ぎ取り、下着姿で堂々とフラッシュを浴びた。
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