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「それじゃ、まずアンタ、名前何にする?」
世話役らしい派手な年配の女性が、口を歪めて煙を横に吐きながら聞いてくる。
白髪を金髪に染め上げ、耳にはいくつも穴を空けて輪になったピアスを連ねている。
「は…?
あ…あの、名前は大塚礼子ですけれども」
ぽかんとするわたしを、金髪ピアスはさも面白そうに、ケラケラと笑い飛ばした。
「アンタ、ほんとうにこの業界ウブなんだねぇ、名前っていうのは源氏名、店の中での呼び名のこと。何か好きな名前はあるかい?」
ああ、そうか。
「それじゃ…あの、う―んと…メグで」
深い意味はない。昔好きだったスタイルのよい魔女っ子アニメの主人公から。
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