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「この魔剣憑きがぁ!」見知らぬ男に罵声を浴びせられ、石を投げられた。
そう俺は魔剣憑きだ…。
誰もが意味嫌う魔剣に愛された悪魔。
俺の母は、俺を産んですぐに魔剣に魂を食われ、怒り狂った父は俺をすぐ捨てた。
こんな剣に魅入られたばかりに俺の人生はさんざんだ。
ほら、今も俺は忌み子として
石を投げられる始末だ。
正直、もう諦めている。
俺は一生、呪いの言葉を吐かれて誰もいない所で死ぬのだろう
誰も俺を救ってはくれない、救えない。
この魔剣のせいで…。
その時、一人の男が石を投げる手を止めた。
「やめなさい。相手はまだ、子供じゃあないですか」
俺はその男を思わず見たが、奇妙な男だった。
目深にフードを被り、口にはマスクをして手には皮の手袋。
ひ弱そうな体の背中には、身の丈ほどの大剣。
正直、こんな優男が振り回すのはとても無理だろう。
恐らく飾りだ、と俺は思った。
石を投げた男は一瞬、男の風体に怯んだようの見えたが、
見てすぐ優男だとわかると急にまた吠え出した。
「うっさいんだよ!兄ちゃんはすっこんでろ!怪我するぜ?」
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