第2章

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桜もすっかり散り、今では青々と茂っている葉がたくましく太陽に向かって成長し続けている5月の始め。寮ではちょっとした事件が起こった。 事件って程のことでもないが、5月の連休は、大体の寮生が実家に帰るらしい。俺には帰る家なんてないのに。 大体の寮生が帰省するので、それに伴い、寮の食堂が閉鎖されるという。俺は困り果てていた。料理なんてしたことがないし、カップラーメンすら作ったことがない。っというか食べたこともない俺には、この連休が乗り切れるか心配だった。 浩輔はもちろん実家に帰るだろうし・・・; どうしよう。今どきカップラーメンすら作れないなんて言ったら馬鹿にされるか幻滅されないか心配だし。 そんなことで悩んでいたら、浩輔が俺の部屋にやってきた。 「おはよ!潤!」 「ん。おはよ。浩輔」 俺はそっけなく答えた。朝からそんな元気になれる気がしなかった。 そうすると、 「どうした潤?悩み事?」 っと、浩輔が心配そうに話しかけてきた。 「あぁ。ちょっと。」 「俺でよかったら、悩み聞くけど?」 浩輔はそういってくれた。しかし俺は悩んだ。でもそんなこと気にしていられないので、俺は思い切って打ち明けることにした。
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