第2章

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「あぁ。うーん。実は俺さ、飯が作れないんだよ。」 「ん?そんなのインスタントで生きていけるじゃん?」 浩輔がポカンとして俺の顔を見ている。 「だから!インスタントのものなんて、作ったこともないし、食べたこともないんだよ。」 俺の言葉に浩輔が更に目を見開いて驚いている。 「潤。カップラーメンとか食べたことないの?」 「あぁ。」 俺は素直に答えた。 すると浩輔が不思議そうに 「今までの16年間どうやって過ごしてきたの?」 っと、聞いてきた。俺は口ごもり、 「だから。それは・・・。うーんっと・・・。」 今までの生活を浩輔に話すかまだ迷っていた。せっかくできた友達だから大切にしたい。俺のこんな話聞いて、友達やめられたらそれこそ俺は生きていけなくなる。そんなことを思っていたら、 「まぁ、しょうがないね。俺も寮残るからお前の分も作ってやるよ。」 「え!浩輔実家帰らないのか?」 突然のことに、俺は驚きとうれしさですごい勢いで浩輔に聞いてしまった。 「うん。だっておれ帰る家ないし。」 俺は一瞬ドキっとした。 [浩輔に帰る家がない?どういうことだ?] 俺の思っていることが顔に出たのか浩輔が語り始めた。
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