第2章

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答えないで浩輔の顔をじっと見ていると、 「俺、なんか変なこと言っちゃった?」 浩輔が心配そうに聞いてきた。 「いっいや!違う!今まで母親に会うとか、兄弟がなにしてるとか気にしたことなかったから…。兄弟にいたってはつい最近まで、居ることさえ知らなかったし…。だから、ちょっと慌てちまって…。」 俺は正直に今の気持ちを浩輔に話した。 「そっか。今の潤なら何でもできるし、親父さんに縛られてたときより、もっと色んなものを色んな形で見てもらいたいって思ったから。まぁ、今すぐって訳じゃないし、ゆっくり考えてから答えだして!」 浩輔は俺より俺の気持ちに気がついているのではないかと思った。今まで気がつかなかった俺の気持ち…。やっぱり浩輔はすごい! 「分かった。考えてみるよ!」 俺は笑顔で答えた。 こんなこともあったよな。浩輔はまだ覚えてるかな。始めて浩輔の弱さを見た気がした日だった。
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