第3章

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朝食を食堂で取ったあと、二人で明日からの連休に向けての買出しに行くことにした。二人で玄関から出て行くと、そこに長身で黒髪の男が立っていた。何度か食堂で会ったことはあるが、名前も知らないやつだった。ボケっとしていると浩輔がそいつに話しかけていた。 「あ!和彦じゃん!おはよ!どっか行くの?」 和彦と呼ばれた男は優しく微笑みながら浩輔と話している。 「椿か。おはよう。俺は連休居残り組だからちょっと食糧の買出しに行こうと思ってさ。」 あ。この人も居残り組なんだ。俺はちょっと仲間が増えたように思えてうれしかった。 「なんだ。和彦も居残りなんだ。俺たちも買い物行くんだ!この辺ってスーパーどこにあるかわかる?」 なんだか浩輔と和彦と呼ばれた人は中が良さそうに見えた。俺はちょっとした嫉妬を覚えた。そして、こんなことぐらいで嫉妬している自分自身に驚いた。 (俺どうしたんだ?もしかして本気で浩輔のこと・・・。) ボーっとしていると浩輔に腕をつかまれた。
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