第3章

6/7
前へ
/56ページ
次へ
無事に買い物も終わり寮に帰る途中、葵が不安そうに話しかけてきた。 「一つ気になったんだが、椿も霞も料理は出来るのか?」 俺は一瞬ドキっとしたが、すかさず 「その辺は浩輔が何とかしてくれる。って思ってるんだが・・・。」 浩輔が少しうつむきながら言った。 「俺が料理?出来ると思ってんの和彦は?」 思いもよらない浩輔の言葉に俺はビックリした。 「えぇ!浩輔お前料理できるんじゃないのか?!」 すごい勢いで浩輔に聞いてしまった。 すると浩輔は申し訳なさそうに、 「だってあの時は何でも出来る気がしたんだよ!でも良く考えると俺もインスタントは出来ても料理って程のものは作れないんだよね。」 俺は唖然とした。あんなに自信満々に語っていた浩輔だぞ?今更料理が出来ないなんて。買い物袋をよく見てみるとカップ麺やインスタントのカレーしか入っていなかった。 「お前らもしかしてインスタントで1週間過ごすのか?」 葵が信じられないといった風に聞いてきた。 「俺はそのつもりだったけど・・・。」 浩輔が自信なさげに言った。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

339人が本棚に入れています
本棚に追加