第4章

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それと入れ違いにどこかから葵が帰ってきた。 「おかえり和彦。どっか行ってたの?」 浩輔が尋ねた。すると葵は 「あぁ。ちょっと市立図書館まで行ってきた。なんせテストまであと1か月だからな。」 俺は現実を受け止められないでいた。最近は楽しいことばかりで幸せだった。だからテストのことなんて忘れていた。文武両道の黒龍学園。もちろんテストの結果次第で色々なペナルティがある。なので、必死に勉強しなくてはいけない。 そんな俺の気持ちとは裏腹に浩輔がいった。 「和彦。まだ1か月もあるんだぞ?範囲だってまだ発表になってない。こんなにあせってどうするの?」 「まぁな。しかし、貴重な連休だからな。少しでも身に付けようと思ってな。」 冷静に葵は言った。 「これだから勉強大好きな人は・・・。ところで和彦。今日の晩ご飯なーに?」 飽きれたように言った浩輔が話題転換。元気に笑顔で言ってた。 「今日はカレーにしようと思っている。」 「マジで!カレーだって潤!楽しみだね。もちろん中辛でしょ?」 子どもみたいにはしゃぐ浩輔がかわいくて、俺はずっとこんな時間が続けばいいと思った。こんな幸せな時間がずっと・・・。ずっと・・・。
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