339人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
翼の家の玄関を入ると、犬のほえる声が聞こえた。そして数秒後に、犬の一緒に晶と思われる子がやってきた。
翼より少し暗い青の髪、青くて大きな瞳に、色白で弱弱しく華奢な体躯。
見て分かるぐらいの病弱な体つきの翼の弟。俺は現実として実感した。
「あ!浩兄だ!久しぶりだね。」
見た感じより元気な声で晶が言った。
「久しぶり、晶!元気だった?今日は顔色よさそうだね。最近調子どう?」
元気な顔を見て安心したという表情の浩輔が晶と浩輔が話していると翼が、
「いつまで玄関にいるつもりだ?とりあえずリビングに行くぞ。」
そういって、俺をリビングまで連れてってくれた。その途中の廊下で晶が話しかけてきた。
「あなたが潤さんですよね?はじめまして。僕は柊晶と言います。今日は楽しんでいってください。」
とても中学生とは思えない口調で晶が言った。そして俺は
「おぉ。霞潤だ。今日はよろしく。」
俺には精一杯の言葉だった。
「よろしくお願いします。」
満面の笑みで晶は俺に言ってくれた。それだけで俺の気持ちはうれしさであふれた。
最初のコメントを投稿しよう!