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何時間寝たのだろう。知らないうちに眠っていて、なぜか知らないが目が覚めた。そして横を見ると居るはずの翼と浩輔の姿がない。どこに行ったんだろうと起き上がってみると、ベランダのほうに動く人影を見た。何気なく近づくと、真剣な面持ちで話し合っている声が聞こえた。
「浩輔の気持ちが知りたいんだ。」
「そんなこといきなり言われても困るよ…。」
「いきなりじゃない。結構前にも話しただろ。」
「あの時は冗談だと思ってたから…。」
言い合いとも取れる雰囲気の二人の会話は俺には理解することができなかった。
「好きなんだよ。浩輔が。何年も前からずっと。」
俺の心にひびが入った瞬間だった。翼が浩輔のこと・・・。考えてもいなかった。
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