第1章ー出会い

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こんな感じで、俺には友達が今までいたこともない。だから俺にはこの2人の関係が羨ましかった。 教室の中も賑やかになり始め、こいつらがこれから1年間共に勉強する仲間達だと思うと俺は嬉しくてわくわくが止まらなかった。 少しして、先生がやってきた。初めてのホームルームはやっぱり自己紹介らしい。名前に得意なものなど、ありきたりな自己紹介を出席番号順にやっていく。あまり学校に行っていなかった俺からしてみれば、すべてが新鮮で楽しかった。 俺の順番は5番目。人前で話すことなんてしたことがないに等しい俺は、ものすごく緊張していた。ついに俺の番がきた。 「か、霞潤です。高校ではなにか部活をしたいと思います! あと、友達をたくさん作りたいです!宜しくお願いします!」 拍手 言い切った俺に、さっき浩輔と呼ばれていた子がニコっと微笑んだ。 そして、 「椿浩輔です。ずっとサッカーしてました。たくさんの人と仲良くなりたいです。宜しく」 椿浩輔か・・・。 俺はこの名前をしっかりと頭に刻み込んだ。今思えば一目惚れだったのかもしれないな。このときから俺は浩輔のことが大好きだった。
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