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「残さず食えよ」 「子供扱いするな!」 「な、ウマイだろ!?」 「悪くはない!」 本当は美味い。かなり美味い! あ…パウロ… オレはパウロに近付いてあぐらをかいて座るその膝に手を置くと口の端に付いているご飯粒を舐めて取る。 「食いしん坊だなディックスは」 パウロ…鈍感過ぎ!食いしん坊ってなんだよ! 普通は照れたりするだろ! もう良いよ! オレは背を向けて部屋に戻ろうとした。 が…腰をパウロに掴まれて、そのままパウロの膝の上に引き込まれる。 「お前こそご飯粒付けてるぞ」 パウロの手がオレの頭を撫でながら髪についたご飯粒を取る。 「オレ達似た者同士だね!」 ちょっと嬉しくてそのままパウロが食べ終わるまで膝の上にいた。
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