After Episode

22/24
前へ
/121ページ
次へ
「あぁ………そういうこと、か」 広がっている光景。 一瞬で、理解できた。 それを見ていると、何故だか胸の奥が熱くなって。 「なぁ……もしかすると」 俺はそれ、いや、それらを見つめながら、ミナに話し掛ける。 「増えつつあるのかもな、こいつら」 見えているのは、寄り添う二匹のマンボウ。 去年見たのよりは、小さいけれど、しっかりと存在感を放っている。 ゆらゆら、ゆらゆら。 あぁ。 マンボウは、ふわっと、泳いでいる。 二匹どこかへ行ってしまいそうで、俺は、思う。 ミナは、マンボウに似ている。 マンボウがミナに似ているのか? どちらでも、同じことだった。 ぱっと見、よくわからない存在で、それなのに存在感があって。 知れば知るほど可愛くなる。 もっと知りたいと思うようになる。 そんな、存在。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1477人が本棚に入れています
本棚に追加