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「――結婚、しないか?」
大海に、本当の二人きり。
いや、マンボウがいたか。
俺はそう思って苦笑する。
ミナが、こちらを見ている。
彼女はどういってくれるだろうか?
もしかすると、早すぎた、だろうか?
脳内で、色々な危惧が駆け巡る。
けれども、俺がやれることはもうない。
俺は俺の想いを伝えて。
それをミナは理解した。
だから、あとはミナの答えを待つだけだ。
ミナは、俺を見詰めて。
おずおずと、口を開いて。
けれども、もう、どこかに行ってしまいそうには見えなかった。
ミナは、唇をちょんと突き出して、俺の唇に少し当てた。
そして、聞こえないくらいの声で言う。
「――私で、よければ」
海はそれでも静かに、全てを見守るように。
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