End Episode

3/12
前へ
/121ページ
次へ
ゴウが、右手を振り上げる。 途端に、怒声は全て鳴り止み、緊張だけが場を支配した。 「てめぇら!」 野太い声がとどろく。 「俺をこの場に呼んでくれやがったことに、まずは感謝する!」 歓声が上がった。 しかし、もう一度ゴウが口を開くと、また静寂が支配する。 「俺は、知っての通り、そこのミナの父親だ!  そして、一昨日、婚約の話を本人から聞いた!」 外野から、『その時どんなお気持ちでした!?』と声が飛ぶ。 「正直に言おう! 俺は、腹がたってしょうがなかった!  どこの糞野郎が俺のお姫様をさらっていきやがるのかと思った!  そして、ぶん殴ってやりたいとさえ思った!」 また、嵐のような歓声。 さすが総司令、という声さえも聞こえる。 「だが、しかーし!」 乾杯をしようとしていた海兵の動きが、ぴたりと止まった。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1477人が本棚に入れています
本棚に追加