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「おーい、生きてるかー?」
ぺちぺちと、頬が叩かれる。
寒気がして、俺は目をあけた。
「おぅ、生きてる生きてる、だいじょうぶだな?
ま、アバラの二、三本は逝っちまってるだろうけどな。
総司令が手加減してくれてなかったら今ごろしんじまってるぜ?」
海兵は、苦笑する。
「ま、水かけてもおきねえから、あの程度でしんじまったかと思ったぜ、『ハゲタカ』!」
頭を小突かれる。
「艦長なんて心配して付きっ切りだ。羨ましいやつめ!」
海兵の後ろから、ミナが顔をのぞかせていた。
俺は、ミナに手をひらひらと振って見せる。
「なぁ、お前」
「………なんだよ」
声を出すことすら辛い。拳は想像以上に重かった。
「艦長、幸せにしろよ!」
そう言うと、海兵は、一度言ってみたかったんだよな―これ、と言いながら、
仲間のいるテーブルの方へと戻っていった。
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