1477人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい! 『ハゲタカ』! 酒、のめるだろ!?」
遠くからゴウに声をかけられる。
「こっちに来いよ! お前のために席を空けといてんだ!」
俺は、ふらふらと立ち上がる。
様々な、称える声やけなす声や、入り混じる中を抜けて、
俺はゴウの待つテーブルへ、どっかりと腰をおろした。
「マスター! 俺と同じもんをこいつにも!」
注文してから、ゴウは俺のほうを見る。
「お前になら娘をやっても良い、そう言える奴を探してきたが
お前もどうやらそれにはあてはまらんようだな」
だがしかし、とゴウは言う。
「俺の見る目が正しければ、お前は俺が愛した人と同じ目をしてやがる」
酒を一口ぐい、と飲んで、ゴウは懐から拳銃を出した。
「これ、お前にやるよ。俺の愛した人が使ってたもんだ」
「………いいのか?」
「お前には決定権はねぇ。俺がやると言ったからには
死んでも受け取ってもらう!」
最初のコメントを投稿しよう!