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「………なぁおい、やっぱりおめぇはただの馬鹿だ」
ゴウが、俺を見て口の端を吊り上げる。
「……娘をまかせられる馬鹿だ」
俺も、にやりと笑って見せた。
おい、ハゲタカ、と声がする。
「………んだよ」
俺は振り返る。
「お姫様が待ちぼうけてんぞ? 逃げられちまう!」
あっけにとられた俺の顔を見て。
海兵たちが爆笑し。
ゴウが腹の底から笑い。
こちらを見ているミナが。
少し照れていた。
俺は、ミナの方に近づいていって、ミナの手をとる。
海兵たちが息を飲むのが聞こえた。
俺は叫び、
「お前らのお姫様を頂戴する! すまん!」
深々と頭を下げた。
怒声と。
咆哮と。
端々からわきおこっていく拍手。
俺はあとのことなど何も気にせずに。
ミナに口付けをした。
始まりの終わりは結局は始まりに過ぎないように。
似合いのカップルであるマンボウとハゲタカは、手をつないで。
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