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「………海を、見ているの?」
「え?」
ぽつりと呟かれた少女の言葉に、俺は沈黙する。
海を見ている、か。今の状況に一番あっている言葉に思えた。
「……あぁ、海を見ている」
「………やっぱりそうなんだ」
少女は目を細める。
「海にはマンボウがいるもんね」
「はぁ?」
突然の言葉に、俺は少女の方に顔を向ける。
「マンボウ?」
「そう、マンボウ………ねぇ、マンボウ好き?」
「そんなもんに好きも嫌いもねぇよ」
「………そう、残念」
少女は、本当に残念そうだった。
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