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マンボウは、この海から姿を消そうとしている。
俺たちが見られるマンボウは、既に人工飼育に成功している数匹だけになっている。
けれども、それがなんだって言うんだ?
俺は消え行く種に想いをはせるほど繊細な心を持ち合わせては居ない。
「お前は……マンボウ好きなのか?」
俺は、何気なく聞いていた。
特に理由があったわけでもなく。
「うん、大好き」
少女は、海を見つめて、ため息をついた。
寂しそうな横顔に、俺は少しどきりとした。
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