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数日経ったある日。
二、三日、雨が続いていたので、海に行くのは久々な気がしていた。
コンクリートで囲われた砂浜が見えたとき、いつもはないものが視界に入った。
(……人影?)
道路沿いに植えられた奇妙な形の木の下、その木陰に誰かが立っていた。
自転車をこいで近づいていく俺に気づいたようで、その人影は手を振る。
確証はなかったが、何かしらの予想はついた。
あいつだ。
俺は気づかない振りをして、人影からできるだけ離れたところに自転車を走らせた。
人影はゆっくりと近づいてくる。
影から出てきたのは、やはりあの少女だった。
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