1477人が本棚に入れています
本棚に追加
「………昨日、来なかった、から」
俺が黙っていると、少女は話し始めた。
「昨日、来なかったから……私に会いたくないのかな、って」
さっきも避けられたし、と少女は付け足す。
「昨日って……お前、昨日は雨だったろ?」
「……うん、でも、暇な時間、少ないから」
多くは語らなかったが、俺には少女の言いたいことが理解できた。
潜水艦乗り、しかも艦長ならば、休みは少ないのだろう。
「今日は暇なのか?」
「……臨時でね。お休み」
へぇ、と俺は呟いて、視線を海に戻した。
でも、と俺は言う。
「大事な休みだろ? こんなとこに来てていいのか?」
俺は疑問を投げかける。
「もっとぱーっと遊ぶとかさ。金持ってんだろ? 艦長だし」
最初のコメントを投稿しよう!