4568人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐにあいつの後を追った。
「待てよ!」
ふり返ったときのあいつの表情は今でも忘れられない。
目は死んでいた。
ぼんやり遠くを見つめるような…
視点があっていない目だった。
心の荒み様を現していた。
恐怖を覚えた。
それはあいつに対してではない。
そこまでして、見て見ぬふりをしていた自分に対してだ。
俺はなんてバカだったんだ!
「やめろ!」
「死にたい!死なせてぇ!」
俺は力づくで岸へと引き戻した。
ハァ…ハァ…
息が乱れた。
最初のコメントを投稿しよう!