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十二月二十四日と言えば、クリスマス・イヴ。
クリスマス・イヴと言えば、いつの間にか恋人同士の甘い夜の象徴――。
周りの友達はどんどん彼氏作っていって、みんなイヴは彼氏とデート。
もう寂しいクリスマスは嫌だ!
篠塚咲月、今年こそ彼氏作ります!!
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とはいえ、私だって好きでもない人と付き合いたいなんて思ってない。
大好きな人と、ロマンチックな一日を過ごしたいって思うのが乙女心というもの。
その『大好きな人』というのが……。
「おーい蓮、数学見せてくれー」
「じゃあ一万円な」
「高ぇよ!」
彼――吉井蓮。
同じクラスだけど、話したことは数回。
むしろ彼は私と話したことすら忘れてるかもしれない、そんな些細な会話。
それでも私は知ってる。
ぶっきらぼうに見えて実は優しいことも、笑った顔が子供みたいに無邪気なことも。
寂しいクリスマスとサヨナラするため、そして念願のラブラブ高校生ライフを手に入れるため。
私は吉井くんに告白します。
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