第二章 依頼

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私達は、他に魔物がいないか調べた。 しかし、特にそう言った影はなく、おそらくローズバトラーがこの洞窟の親玉だったのだろう……。 従って私達は洞窟を脱出した。 日は落ちかけ夕日の光が眩しく映る。 「依頼完了だな……ところでアークはこれからどうするんだ?」 何気なく訊いてみた。 「……次の依頼を探すつもりだ」 「ならガマ城に行きな」 「ガマ城?」 「ああ…あそこで今、傭兵を探してるらしい」 「だが移動手段が……」 確かにケフラカが引き起こしたカタストロフィで島が離れ離れになり、船も出ていない。 しかし、ガマ城に行けないのは、この間までの話。 「それなら心配ない!ニールの東にガマ城に向けた橋がここ最近作られたんだ」 そう橋が掛けられたのだ。 「……そうか……では行ってみるか」 そういった話をしているとニールの町に着いていた。 「すぐに向かうなら私が依頼金を立て替えおこう……いくらだ?」 「……4000Gだが前金で1000G貰っている」 「なら3000Gだな」 と言って私は懐からお金を出し、アークに手渡した。 「……世話になった」 と言うとアークはガマ城に向けて歩き始める……。 その去りゆくアークに…… 「またな“ダーク”!」 と声をかけた。 「……気付いていたのか!?」 驚きの眼差しで振り返る。 やっぱりダークだったようだ。 よく生きてたなと私は嬉しく思った。 「昔、共に戦った仲間だろ」 軽くウインクする。 「……フッ」 アークは微笑を漏らす。 「……あの後、ダークがいないのに気付いてみんな心配してたんだぞ……だが無事で良かった」 「……」 アークは何も答えない。 「あまり生きていた事が好ましくないようだな」 「ああ…あの時、俺は死を選んだ……だが生きながえてしまった……」 「まあ……お前の命だから私がとやかく言う資格はない……あえて言うなら、せっかく生きながえた命だ……何か意味があるんじゃないか?……それを探すのも悪くない…そう思わないか?」 「ああ……そうだな」 「気をつけてな」 「……ああ」 こうして私達は別れた。
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