第二章 依頼

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拙者の名はガラモンド=ガイエンでこざる。 2年前、帝国の攻撃を受け、妻と小を亡くし、城は崩壊、拙者だけが生きながらえたでござる。 だが、精霊大戦後に各国から人々が集まり、見事一年でガマ城は復興したでござる。 城下町というオマケ付きでござる。 しかも最後の生き残りだという理由で、拙者に町を自由に作らせて頂いたでござる。 江戸風だの時代錯誤だの、非難の声が上がったでござるが、拙者は素晴らしい町になったと思うでござる。 そして城では他国の王族が国王となり、拙者はその者に生涯仕える事になったでござる。 ただ困った事に、町の復興の際に腰を痛めてしまったでござる。 拙者の友であるガー殿と約束したでござる。 城が復興したら招待すると……。 だが、ガー殿が暮らすのはサバンナでござる。 大陸中の魔物が集まる無法地帯でござる。 腰を痛めた拙者では、もうそんな場所に行くのは厳しいでござる。 かと言って侍長の実力ではサバンナに通用しないでござる。 其処で国王が傭兵を雇うが良いと提案してくださったでござる。 そして傭兵募集する事になったでござる。 しかし、来る者来る者、侍長に勝てないでいたでござる。 傭兵志願者には皆、侍長と決闘をして貰っているのでござる。 最低限侍長に軽々勝てる者ではないとサバンナは生きていけぬでござる。 そしてある日の事でござる。 「志願者が1名来られました」 いつものように衛兵が報告に来たでござる。 「ご苦労でござる。下がって良いでござるよ」 「はっ!」 いつものように衛兵が下がったでござる。 だが、いつ違うのは衛兵の後から来た灰色髪の志願者でござる。 今まで来た者とは違う気迫があるでござる。 そして懐かしさを感じるものでござる。 「さて傭兵をやってもらうにはそれなりの実力がなければ困るでござる」 「……何をしろと?」 と灰色髪の男が訊いて来たでござる。。 「話が早いでござるな。簡単の事でござるよ…ここにいる侍長を倒すことでござる」 「その名は辞めてください…私は騎士隊長です」  侍長でも良いと思うのでござるが……。 「……わかった」 灰色髪の男が構えたでござる。 「気が早い奴だな…名はなんと申す?」 と侍長でござる。 「……アークだ!」 「そうか…」 侍長も構えたでござる。 「始め!でござる」 そして拙者が開始の合図をしたでござる。
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