第一章 覚醒

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次の日、アークが再び目を覚ました。 「おはようアーク」 「……ああ」 ぶっきらぼうにアークが返す。 「はい……朝御飯」 お粥を差し出す。 病み上がりなので、いきなりご飯は差し出すわけにはいかない。 「……すまない」 と言うとアークは腰を上げた。 「ねぇ……あんたこれから、当てはあるのかい?」 唐突に聞いた。 「………」 アークは何も答えない。 「じゃあ暫く此処で暮らさない?……独り暮らしは結構寂しいしさ」 それにアークがいるのが、当たり前に感じていた。 「………」 アークは箸を止め、あたいを見つめた。 その後、窓の外を眺める。 「……ああ」 やがて静かに答えた。 「じゃあこれから宜しくアーク!」 あたいからすれば正確にはこれからも……になるのだけど。 「……ああ」 「でも、あんた寝る場所は今日からこっちね」 あたいは満面な笑みで、床を指差す。 「フッ……ああ」 アークが薄く笑う。 あれから時が巡り、彼があたいと暮らし始め一年が経過した……。 「もう四月かぁ……あんたが来てから一年になるね。まぁ目を覚ましたのは半年前だけどね」 「ああ……」 いつものようにぶっきらぼうに答える だがその後、彼は虚空を眺めていた。 「早いね」 「………」 一人何かを考え込んでいる。 「どうしたの?」 「いや…なんでもない」 とは答えているものの彼はあたいを見なかった。  その瞳はどこか遠く見ているように感じた。  直ぐ側にいるのに、彼を遠くに感じる。 そして別れが訪れた───
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