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『なんだってなんだよ…今出るのか?』
マイズがいかにもまだか?…的な物言いでスケープを急かす。
『今から出る所だ』
スケープはそんな物言いに正直苛立った。いつもマイズは自己中心的なのだ。
『遅せぇッ!はやッ…ガガ…しガ…と手遅ガ…れ…なる…ガガガガ』
突然ノイズらしき超音波みたいな物が流れ、スケープ達の会話を遮断していく。
『おい大丈夫か?電波悪いみたいだが…』
突然の通話不調に違和感を覚え、多少の心配な言葉をかける。
『え、…しジジ…た。ジガ…始まっガ…早…プツ…プープー……』
電話からプッと切れた音がした。…プープーと受話器の向こうから音が聞こえる。
『オィッ…切れやがった。大丈夫かぁ…アイツ』
《どーしたのぉ?》
二階から妹のリーネが起床してきた。まだ目が寝ている。
『ぃや、なんでもないよ。お兄ちゃんこれから少し出掛けるから、留守番頼むぞ?』
『嫌』
キッパリ断るリーネ。
『一緒に連れていきなさい』
一人でお留守番は嫌らしい。寝ぼけながらも強きにスケープを威嚇する
『嫌無理だって…悪りぃッ!』
バッと逃げるように扉を開けて外の世界へ
『コォラー馬鹿アニキぃ ー………....』
リーネの怒号も着いてくるが、だんだん離れていく。
マイズの身に何が起こったかわからないが、とにかく急いでガロース橋に向かった。
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